道路外から出てきた車との接触事故。過失相殺(20:80)の主張を排斥して0:100で解決した事例
2024.08.06解決事例ご依頼内容
依頼者(女性・20代・会社員)は、狭い道路を直進で進んでいました。T字路交差点にさしかかったところで、左側後方から出てきた車に衝突されました。
加害者および加害者の保険会社から、基準通り「依頼者20%:相手方80%【148】図」の過失割合が相当であると主張され、避けようがない事故なのにと疑問に思い、相談にお越しいただきました。
結果
過失の割合は、東京の交通専門部の裁判官が執筆した「別冊判例タイムズ38」を基本に検討します。
重要なことは、各図は典型的な事案を想定したものに過ぎないということです。ただ図を適用するだけなら誰でもできます。しかし、一見して似たような局面でも、その図を使う前提を欠く事案であれば、そのことを主張・立証することが弁護士の仕事です。
【148】図は、直進車の前方注視義務違反が認定できることが前提の図です。何度も事故現場に行って考えるうちに、依頼者の事案では、衝突態様、衝突部位、道路状況等から、この前提を欠くことを証明できることに気づき、「依頼者0%:加害者100%」の過失割合を裁判官に認定してもらうことができました。加害者は判決を不服として控訴しましたが、控訴審でも同樣の判断であり、依頼者への濡れ衣を晴らすことができました。